三国志演義のあらすじ:天下分け目の「官渡の戦い」
前哨戦:白馬・延津の戦い
最初に戦端を開いたのは袁紹でした。
袁紹は、
「虎牢関にも二人が来ていれば負けはしなかったものを」
と自慢する二人の猛将、
顔良(がんりょう)
文醜(ぶんしゅう)
を先鋒に南下作戦を開始します。
「白馬・延津の戦い」(はくば・えんしん)と呼ばれる戦いです。
さすがに袁紹軍の双璧だけあって、この二人は並ならぬ武勇で曹操軍を次々突破します。
が、策士・曹操からみれば脳筋にすぎない顔良・文醜は、曹操にとって決して倒せぬ相手ではありませんでした。
何より、曹操には先に引き入れた「関羽」という最終兵器があったのです。
また、義理に篤い関羽のほうも「曹操に恩返しをする好機だ」と自ら出陣を志願します。
そして、関羽の武勇(と曹操の知略)により、顔良・文醜はあっけなく討ち取られてしまい、とりあえず白馬・延津の戦いは曹操の勝利に終わります。
が、曹操にとっては一つ誤算がありました。
袁紹の元へ身を寄せていた劉備が、戦場で関羽とばったり出会ってしまったのです。
劉備軍の再終結と、再度の逃走劇
劉備が生きていた。
関羽は大い喜び、劉備の妻子を連れてその下へ戻ろうと支度を始めます。
曹操はなんとか引き止められないかと居留守を使ってみたりして関羽が去れないよう色々と手を尽くすのですが、関羽の意志は固い。
そこはさすがの曹操。
関羽を捕らえようと進言する部下を制止し、むしろ気持ちよく見送ってやることにしました。
曹操領を(トラブルもあったものの)脱した関羽は、さらにその道中で、身を隠していた義弟・張飛とも再会。
そしてついに、劉備と関羽・張飛の三兄弟が再会することが出来たのでした。
ついでにこの時、袁紹に滅ぼされた劉備の恩人・公孫瓚のもとで出会った勇将・趙雲が正式に劉備軍に参加することとなります。
こうして新たな仲間も加えて再終結した劉備軍は、ちょうど袁紹の命で曹操の背後を突くよう命じられていたので、中原南部の「汝南(じょなん)」の地で再度旗揚げをしました。
[word_balloon id=”1″ position=”L” size=”M” balloon=”talk” name_position=”under_avatar” radius=”true” avatar_border=”false” avatar_shadow=”false” balloon_shadow=”true” avatar_hide=”false” box_center=”false”]ここまでのまとめ・・・
曹操・袁紹による天下分け目の戦いが近づく中、桃園三兄弟は劇的な再会を果たします。
が、この先彼らにはさらなる苦難が待ち受けているのでした・・・[/word_balloon]
天下分け目の「官渡の戦い」(かんと)
一方、緒戦で出鼻をくじかれた形の袁紹も、まだまだ勢いは衰えていませんでした。
袁紹は、慎重論を唱える軍師の田豊(でんぽう)、沮授(そじゅ)らの忠告を振り切って再度南下作戦を決行。
曹操軍をはるかに上回る兵力で押し潰しにかかります。
袁紹は、将として決してボンクラな男ではありません。
さすがの曹操もまともに戦っては袁紹の大軍を突き崩せず、むしろ官渡城に追い詰められ、包囲戦を仕掛けられます。
さらに折悪く、食料も尽きて絶体絶命の窮地に陥るのでした。
が、曹操はこれで終わるタマではありません。
曹操は、袁紹軍からの内通者の情報をもとに、袁紹軍の兵糧備蓄地だった烏巣(うそう)を奇襲、袁紹軍の兵糧を焼き払って袁紹軍を混乱に陥れます。
一方、食料を一気に失いさらなる裏切りも出た袁紹軍は完全に崩壊。
曹操軍は苦戦の末、劇的な勝利を収めたのでした。
一方、袁紹軍の敗北に巻き込まれる形になった劉備は、やむを得ず汝南を捨ててまたもや敗走・・・。
今度は、荊州の劉表(りゅうひょう)を頼って、南へと逃走するのでした。
一方、袁紹を破った曹操は勢いに乗り、西暦202年に袁紹が病死したのを機に袁家を完全に滅亡させることになります。
これで中原・河北を掌握した曹操軍は、天下最強の勢力として君臨することになるのです。
その間、劉備は実に200年から7年もの間、劉表のもとで長い忍耐の時を過ごすことに・・・。
[word_balloon id=”1″ position=”L” size=”M” balloon=”talk” name_position=”under_avatar” radius=”true” avatar_border=”false” avatar_shadow=”false” balloon_shadow=”true” avatar_hide=”false” box_center=”false”]ここまでのまとめ・・・
天下分け目と言われた「官渡の戦い」に曹操が勝利。結果、曹操軍に対抗できる勢力はなくなった・・・かに思えました。
次回はいよいよ「赤壁の戦い」。そして「暇孔明」の由来である名軍師・諸葛亮も登場します。[/word_balloon]
・・・さて、今回はここまで。
これが三国志前半の「黄巾の乱~官渡の戦い」
=曹操の台頭までのあらすじです。
次回、いよいよ三国志では最も有名な
「赤壁の戦い」が起こり、諸葛亮、周瑜、孫権など
三国鼎立のキーマンが次々登場してまいります。
お楽しみに。
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